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イ・スンチョル / 10集『the land of dreams Mutopia』

[some information]

●MusicとUtopiaの合成語タイトルを持った、フル・アルバムとしてはやや意外にも9集というカウントになる定(正)規盤としては約2年ぶりの作品。すでに前哨戦的にクォン・サンウ主演の映画『悲しみより悲しい物語』OSTにキム・ボムスらと参加し、本作にもその2曲(「聞いているのかい」「そんな人は二度といないでしょう」)がそのまま再録されているため、最初から最低でも2曲は当たり…という保険が掛けられているともいわれつつ、タイトル曲は[01]「爪がはがれて」という微妙にブルース・フィーリングを湛えたライト・ロック・チューン…というあたり、アルバムの装丁(B5弱サイズ)以外はケレンも気負いもない、しかも力押しですらない正攻法作となっている。さらに[02]ではタイトルの『In The Love』というフレーズを昨今のダンス系に顕著なリフレイン・ネタのパロディーのように繰り返してみせながら、実はメロディーも詞もその都度微妙に変化しているという、Vibeをも上回る(まるでバロック期における“即興”のような)時間的な錯覚の逆遠近法ともいえる深層心理的効果を生みだしている。またかつてのヒット曲「今日もぼくは」への13 年越しの自問自答的レゲエ曲(むしろサルサに近いかも…)をも含め、全般にロッカーとしての確たる視点からの歌い下ろしの筆で、それぞれの曲トーンを仕上げていく匠の技の余裕が感じられる状況となっている。強烈なシャウトのトラックはないので、もちろん広義のバラード・アルバムと捉えてもまちがいはないのだが、R&Bのそれとは完全に一線を画し、各曲のアレンジ、セッションの雰囲気の違いをそれぞれに楽しめるレベルであり、この辺のお気楽ぶりは、スンチョルとはある意味表裏の関係ともいえるプファルのキム・テウォンが近年バラエティなどを通じて「裏」キャラから脱しつつあることで、極めて間接的ではあるが彼自身のキャラ設定にもより制限がなくなったと穿った味方をしたくなるほど、融通無碍といえそうなところとなっている。なお、装丁はあざとくない程度にスンチョルをfeat.した自然風景写真集という感じのデザイン・コンセプトで、サイズが大きめなことで歌詞も十分なポイントで記載されているため、日本産業デザイン振興会からの授賞も期待されるレベルとなっている(乗っているのが自転車ではなくボートだが)。

track list
0101
爪がはがれて 


3:56
0102
In The Love 


3:34
0103
振り返れば 


3:59
0104
Reggae Night 


3:22
0105
君のせいで涙が流れる 


4:24
0106
愛よ 


4:10
0107
あとどれだけ泣けばいいのか 


4:08
0108
Love is 


3:39
0109
君は忘れたのか 


4:17
0110
My Girl 


3:55
0111
聞いているのかい 


4:11
0112
そんな人は二度といないでしょう


3:45
0113
Moving Star 


4:02
→ カナ(ハングル読み)を表示 Japanese Translations courtesy of (c)Junkei Tsutsui
商品コード : CMAC-9071
製造元 : [2009/05/06] CJ E&M
価格 : 2,800円(税込)
Audio CD *1
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