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パク・ファヨビ / Kiss In Yesterday

[some information]

◎いろいろ心配されたが、結果的にはそのボイス・カラーは以前とほぼ変わらないばかりか、歌手のキャラはノド以外のところですでにかなり埋まっている、言い換えればもしノドの整形という医療技術があったとしても、そのヒトの元々の表現力以上の声は獲得できないであろうことを改めて確信させる、なんというかコンディションよりも天賦の才が重要というあたりが高校野球とは違うのだということを再認識させてくれるカバー集である。と同時にバックの編成からいくと一部で待望されていたジャズ・バンド伴奏…なはずなのだが、アメリカン歌謡に関しては彼女の日本語曲同様(汗)、ほぼ完璧な耳コピの産物による英語(完璧は英語に係らずコピーに係る)と思われるため、これがまったくスタンダードに聴こえず、彼女のその天賦の才を英字で「Gift」と綴っていいのか躊躇してしまう作品ともなっている(というかたぶん英語詞による本来的イントネーション的拘束力=中国語詞による四声的それのような意味の…からは脱臼状態というべきか)。このため、本作がポップス・シンガーとしての決定盤となる可能性は1曲目にして脆くも潰え去っているが、それに対して完全に外国曲でありながら、ほとんどの韓国人にはシム・スボンの(そしてほとんどの日本人には加藤登紀子の)持ち曲と思われている「百万本のバラ」(一応タイトル曲&MV制作曲である)からは、よびよび流の換骨奪胎ワザが炸裂! でこれに続く活動曲は果たしてキム・ボムスの(5)なのか、シン・スンフン(12)なのか、イ・ソラの(7)なのか、はたまた日本では『冬ソナ』の挿入歌ということになっているオ・ヒョルランの(11)なのか…と百花繚乱状態となっている中で、彼女以外ではこの原作からの距離感はあり得ないだろうと断言できるのが、プファルの3集曲(10)[1993]である。サビをイントロとして使用したようにも聴こえるため、ずうーっとAメロのバリエーションを繰り返したままフェイド・アウトしてしまう的終止感の欠如したこの名曲が、コードが進行するのではなく逆行するかのようなとりとめのない“雰囲気のリフレイン迷宮”に落ち込んでいくあたり…ちょっとまぁ、前世紀のメレディス・モンクの「反復と終止形」の反復…みたいな世界にハマっている(20秒くらい聴く側の記憶が飛んでしまって1パート欠如したかのような錯覚に陥るともいう。試みにこのトラックを自動リピートしてみると終点が見えないことがさらに実感できるであろう。しくしく)。実際、プファルの原曲と比較して構造が改変されているわけではないが、この曲が亡くなったキム・ジェギのボーカルであったことも踏まえて聴けば聴くほどに、ふと本作の副題をみると「kiss in yesterday」が、やはりなんらかの降神術的な、あるいは歪時空能力的な彼女の6thセンスを暗示しているとしか思えなくなってくるわけである(がくぶる)。


曲目表]
track list
0101
KISSING A FOOL


4:41
0102
百万本のバラ


5:10
0103
目を閉じても


3:41
0104
あなたが私に


4:13
0105
約束


4:52
0106
BEN


2:47
0107
にこにこ


3:25
0108
どうか


4:28
0109
MOON RIVER


4:36
0110
愛するほど


4:13
0111
少しだけ愛していたなら


4:34
0112
哀而不悲


4:22
→ カナ(ハングル読み)を表示


商品コード : SHCD-0701
価格 : 2,000円(税込)
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