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韓国映画OST / 『ひまわり』

映画出演者/リンク
キム・レウォン
キム・ヘスク
ホ・イジェ
パク・ウネ 映画友情出演者
キム・ジョンテ
キム・ビョンオク
ハン・ジョンス
チ・デハン


(歌手)リンク(本人作/参加/曲)
キム・レウォン
(vocal)



Angelo (イ・ウキョン)
(vocal, compose)



イルマ
(piano)



イム・ヨンシン
(piano)



ユン・ヘウォン
(oboe)



イ・ソンリョル
(guitar)



イ・テユン
(bass)



カン・スホ
(drums)





[some information]

●映画は2006年11月23日開封。(1)はキム・レウォンの歌唱(原題は「野茨の花」でパク・テジュン作)。『Mr.ソクラテス』とは違い、童謡風の歌い廻しでかなり和める状況となっており、『角砂糖』のイム・スジョンと男女で今年の主演俳優による主題歌の双璧を成すとも一部では評価されているともいわれるが、これは(31)でもう1曲のソング・トラックを歌っている、本作の映画監督でもあるAngelo(イ・ウキョン)の意向による、彼のキャラ(“声”)を見越したある種の抜擢とのこと。その割にOST歌手としてのキャリアも長いイ・ウキョンが、Angelo名義で渋いノドを聴かせているのはある意味イヤミか(→後段も参照)。

 レウォンの歌った「ひまわり」は(12)でピアノ、(27)でオケ(+オーボエ)それぞれのバージョンで変奏される。全体構成としては冒頭とラストを除く29トラックがインストで、(2)から(13)までがpiano、(14)〜(26)がguitar(s)、(27)〜(30)がoboeをフィーチャーしたオケ編曲…と3つの編成ごとのパートに分かれた、5部編成の組曲様式ともとれる作品。さらにピアニストとしてはイルマ(入隊前の最後のセッションらしい)、イム・ヨンシンの2名がクレジットされており、個々の表記はないため正確ではないが、おそらく譜面ぽいほうがイム(他のデータではクラシック系の人とされている)、ニューエイジ的にブレというかマチというかマージンがある演奏がイルマ担当ではないかとみられる。


[以降:オマケ] あるいは録音技法的にハンマー音を捉えることを主眼とし、結果的にアップライト風の録音になっているトラックと、アンビエントおよび高次倍音用のマイクを含め8本くらい立っているのではと思わせるいかにもグランド風の録音トラックとに大まかに分かれており、後者がイルマのピアノである可能性も指摘されている。このほかにも録音的にかなり特徴のある作品で、言い換えるとインスト部分は映画とは別にひとつのセミ・クラシック〜ニューエイジ作品としての完結を目指しながら、サウンド・マニアへの訴求もやや狙った感があり(おそらく韓国のご家庭では映画/OSTでもかなりのハイファイ環境で再生される場合がありうるため?)、たとえばオーボエのトラックではベル(というほどラッパ型ではないが…)にマイクを突っ込んで録ったかのように発音が物凄くONである。現実にはサックスのように朝顔にマイクを突っ込んだりはできない(コンタクト・マイクをくっつけることは可能だが)ため、特殊な反射板と超指向性マイクを組み合わせたかのようなワザのキレを感じさせる(実際の技法は不明)。このため、オケが被さってきたときの分離は非常によく、オーボエ協奏曲的な均衡と奥行きの感覚まで演出されている。その一方、アタックの頭が削られているような発声で、極端なビブラートを用いないため、同チューニングである(C管)フルート的に聴こえることがあるのは、ちょっとナゾ。カバード・キイのモデルならばカパカパいう噪音の部分で、楽器が判別(というよりキイ・ホールの位置が判別)できる場合もあるが、どうやらリング・キー・モデルのようで、いわゆる雑音がないことがかなり人工的な印象を与えている(もちろん実際は明らかに生。なお、Pro Toolsでもフィンガリング時の雑音は取れないと思う)。オーボエでも遠方でエコー風に鳴らしたものを録るとバロック・トランペットに近い感じになったり…と距離感が支配する部分も大きいのだが、これはまさしく調性の問題としていったんフルートを前提に書かれた小品をオーボエに引き写したのではないかという疑い(LowがC#止まりに対しhighはEまで使用。もちろんプロ奏者にとって際どい高音ではないが)ももたれているが、結果的には極めて疑似新古典派(二重形容)的にスマートな合奏曲が出来上がったと評価可能であろう。ちなみに弦楽オケも8・6・4・4・2というマトモな編成のもので、コンサート・マスターはたまに映像にも出てくることのある(女性の)イ・スさんのもよう、また件のオーボエ奏者はKBS交響楽団の人のもようである(!)。以上、Angeloが直接編曲まで行ったものではないとみられるが、映画音楽の制作チームとしての分業の見事さ、あるいはピアノの奏者使い分け(?)にみられるような録音=サウンドへのこだわりという見地からは、近年のAngelo、まったくもって侮りがたしという印象を与える佳作となっている。すなわち最後のトラックまで聴いた段階で、冒頭に和みのレウォンを持ってきた意図は十分理解される…という構図なのである。

[※概ね2006年当時の情報を元に記述]。


[曲目表]
track list
0101
ひまわりの花 
-
キム・レウォン (vocal) 
4:22
0102
希望手帳 


1:50
0103
美しき日々 


1:39
0104
君へ 


1:50
0105
テシクの夢 


2:06
0106
母の笑顔 


1:52
0107
後ろを振り向く 


1:30
0108
お姫様は眠れずに 


2:17
0109
母へ 


1:57
0110
独り立ち 


3:10
0111
残された悲しみ 


2:15
0112
ひまわりの花 piano ver. 


2:55
0113
許し 


4:15
0114
真似 


1:58
0115
通り過ぎた道 


1:47
0116
テシクの記憶 


1:39
0117
未練 


0:50
0118
さまよいの道 


1:36
0119
家族 


1:31
0120
希望へ 


1:47
0121
もう一つの始まり 


1:32
0122
足踏み 


1:57
0123
愚かな恋 


2:50
0124
流れる時間 


1:54
0125
過ぎし日 


0:59
0126
ヒジュの期待 


1:18
0127
ひまわりの花 orch ver. 


3:50
0128
最後の足跡 


1:39
0129
悲しい約束 


2:02
0130
記憶の中へ 


1:39
0131
許し 
-
Angelo (vocal) 
4:15
→ カナ(ハングル読み)を表示 Japanese Translations courtesy of (c)Junkei Tsutsui

[参考]
※ちなみに映画の映像を使用したJKキム・ドンウクの「ヘバラギ」(ひまわり、であってひまわり“の花”ではない)なる曲は本作OSTに収録されているわけではない。

商品コード : DMK-199-2
製造元 : [2006/11/1] KM CULTURE
価格 : 2,000円(税込)
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